曇天火を殺すことだけを目的に生きる男。大蛇細胞実験の被験者。天火から採取した細胞を移植され、彼に勝るとも劣らない力を発揮するように。だが度重なる人体実験により、余命幾ばくもない。
山中でトラを匿う謎多き女性。かつて医術を学んでいたが、とある理由から行く宛のない身となっている。遠からず訪れるであろう、トラの最期を看取るつもりだったが……。
古より大津の地を護ってきた、曇神社の神職を世襲する一族。この地では三百年に一度、大きな厄災をもたらす魔物・大蛇(オロチ)が復活する。曇家は、大蛇の復活を阻止するために戦ってきた。
曇家の長男。いつも豪快に笑っており、周囲の人々を自然と惹きつけてしまう器の大きな男。腕っ節の強さと剣の腕前は天下一品。かつては犲に所属していたが、訳あって犲たちとは距離を置いてきた。大蛇討伐ののち、左半身の自由が効かなくなっている。
曇家の次男。兄・天火に置いていかれまいと、兄の盟友・蒼世に剣を学び、その実力は日増しに高まっている。半身が効かなくなった兄に代わり、曇家の当主となって大津を護る決意を固める。
年の離れた兄・天火を父のように慕う、まだまだ無邪気な三男坊。素早い身のこなしと鉄礫(つぶて)投げ、そして持ち前の明るさで兄たちを支える。大蛇討伐以来、天火の様子がどこか変わってしまったことに心を痛めている。
岩倉具視の命で大蛇討伐のため結成された特別部隊。大蛇は自らと敵対する一族の者を器に選び復活するが、犲の隊員の大半は“大蛇の器”候補者でもある。誰が“大蛇の器”になろうとも躊躇なく討つ覚悟を持たねばならない。
天火の無二の盟友。天火が犲から脱けたのち、部隊を率いてきた。陰陽師・安倍家の末裔だが剣の道に進み、その腕の冴えは天火と互角。つねに冷徹に振る舞うものの、秘めた優しさと熱い志を胸に抱く。
天火、蒼世とともに、幼いころから犲として鍛えられた隊員のひとり。二丁拳銃の名手。天火の過去を知らない空丸と宙太郎に、秘められた十一年前の出来事を語る。
大陰陽師を輩出する芦屋家の出身。陰陽師の才を犲で活かしている。色事に耽り刹那的に生きてきたが、曇大湖と接し、犲として殉じる覚悟を決める。
犲の副隊長。身の丈ほどもある斬馬刀の使いこなす剛の者。顔の傷は幼い日の楽鳥を不逞の輩から庇った時のもの。その後、成長した楽鳥に剣を教えた。
犲の隊員。無双の怪力を持つ優しい人物。犲を創設した大湖とは同志的な関係。
犲の隊員。清国生まれの老人。暗器の扱いに長けた、老獪な知恵者。
犲の隊員の中では最年少。剣の腕はかなりのものだが、天火や蒼世らの域にはまだ及ばない。空丸とは互いに切磋琢磨する仲。幼いころ犲に関わったことをきっかけに、入隊を志願した。
© 唐々煙／マッグガーデン・曇天に笑う外伝製作委員会
